吃土的毎天

備忘録として

Rho-kinase

細胞内シグナル伝達におけるRho/Rho-kinase経路(Gタンパクの一種):細胞の収縮・遊走・分裂・肥大・遺伝子発現など多くの細胞機能の発現に関与している。
動脈硬化は、血管の3層(内膜・中膜・外膜)全てを巻き込む慢性の炎症性病変とみなすことができます。血管内膜では内皮機能不全・炎症細胞の内皮への接着・浸潤、蛋白分解酵素の発現などが生じ、中膜では血管平滑筋の増殖・遊走、収縮能の亢進、形質変換などが生じ、血管外膜では栄養血管(vasa vasorum)の増加、炎症性細胞の浸潤、線維化などが生じます(図2)。これらの反応が複合的に作用して、心筋梗塞や不安定狭心症が発症すると考えられます。これまでの我々や他のグループの研究により、これらの変化の全てにRho-kinaseが深く関与している可能性があります(図2)。特に、日本人に多い冠動脈攣縮(本体は冠動脈血管平滑筋の過収縮)の分子機構にRho-kinaseの発現や活性の亢進が深く関与していることを我々は明らかにしています。
Rho-kinase阻害薬(ファスジル):血管平滑筋の過収縮性疾患だけではなく、動脈硬化性疾患、肺高血圧症に有効と思われる。治験段階。
というお話。ファスジルが脳血管攣縮に対して使われている薬と。→SAH術後にspasm予防に使われるエリル。