吃土的毎天

備忘録として

非ST上昇ACSの早期侵襲的治療

◇非ST上昇型急性冠症候群患者に対する早期侵襲戦略の5年間の転帰
5-year outcomes in the FRISC-II randomised trial of an invasive versus a
non-invasive strategy in non-ST-elevation acute coronary syndrome: a
follow-up study. The Lancet 2006; 368:998-1004

FRISC-II試験では、非ST上昇型急性冠症候群患者2457人を早期侵襲的治療(冠
動脈造影を実施し、もし適切なら入院7日以内に血管再開通術を実施)群また
は非侵襲的治療群(薬物治療にも関わらず治療抵抗性・再発性症症状を呈する
場合または退院前の検査で重度の虚血が認められた場合に冠動脈造影を実施)
群に割り振り、この2つの治療戦略間の転帰を比較しています。

このFRISC-II試験の5年間の追跡調査結果が2006年9月16日のLancet誌に発表さ
れています。

5年時点で、主要複合エンドポイント(死亡、心筋梗塞、またはその両方が発
現)を発現した患者の割合は早期侵襲戦略群では19.9%、非侵襲治療群では
24.5%であり、早期侵襲戦略群の方が死や心筋梗塞の発現が有意に低いという結
果となりました(リスク比、0.81;95%信頼区間、0.69-0.95;P=0.009)。

5年間の死亡率は早期侵襲戦略群で9.7%、非侵襲治療群で10.1%でした。また心
筋梗塞の発現率は早期侵襲戦略群で12.9%、非侵襲治療群で17.7%でした
(p=0002)。

男性患者、非喫煙者、2つ以上のリスク要素を有する患者において早期侵襲治療
戦略がベネフィットを有すると分かりました。