吃土的毎天

備忘録として

一過性脳虚血発作または虚血性脳卒中を有する80歳以上の高齢者の症候性頸

動脈狭窄の診断と治療は不十分

Underinvestigation and undertreatment of carotid disease in elderly
patients with transient ischaemic attack and stroke: comparative
population based study. BMJ 2006;333:525-527 (9 September)

この文献は、Oxford vascular studyという試験(出版されたガイドライン
よって評価)において頚動脈イメージングを受ける患者と専門病院でのルーチ
ン診療において頚動脈イメージングを受ける患者の比較により、一過性脳虚血
発作または虚血性脳卒中を有する高齢者において調査不十分な項目の同定を試
みた試験の結果を報告しています。

この試験で、狭窄率50%以上の症候性頸動脈狭窄の発現率は年齢と共に急激に
上昇すると分かりました。特に80歳以上の高齢者においてその傾向は顕著に認
められました。

一過性脳虚血発作または虚血性脳卒中を有する80歳以上の高齢者において、頚
動脈イメージングの実施率、狭窄率50%以上の症候性頸動脈狭窄、頚動脈血管
内膜切除術はルーチン診療の方が大幅に低くなっていました。

この結果から、一過性脳虚血発作またはマイナーな虚血性脳卒中を有する80歳
以上の高齢者においては、症候性頸動脈狭窄が増えているにも関わらず、症候
性頸動脈狭窄の診断と治療は不十分であると分かりました。