視床下核神経刺激は進行したパーキンソン病に有効
A Randomized Trial of Deep-Brain Stimulation for Parkinson's Disease.
NEJM Volume 355:896-908 August 31, 2006 Number 9視床下核の神経刺激は、進行したパーキンソン病患者のレボドパ関連運動合併
症を抑制します。この文献は、重度の運動症状を有する進行したパーキンソン病患者156人を対
象にして、視床下核の神経刺激（脳深部刺激）＋薬物治療と薬物治療のみの効
果を比較した試験の結果を報告しています。この試験のプライマリーエンドポイントは、ベースラインから治療6ヶ月まで
のQOLの変化と薬物未使用状態での症状の重症度の変化です。QOLはParkinson's
Disease Questionnaire (PDQ-39) 、重症度はUnified Parkinson's Disease
Rating Scaleのパート3（UPDRS-III）で評価されました。試験の結果、薬物治療のみの場合に比べて、薬物治療＋視床下核神経刺激の併
用の方が6ヶ月時点のPDQ-39とUPDRS-IIIが有意に改善しました（それぞれ9.5
ポイント、19.6ポイント改善）。薬物治療＋視床下核神経刺激の方が薬物治療のみの場合に比べて重症の有害事
象はより一般的でした（13% vs 4%、P<0.04）。有害事象の全発現率は薬物治
療のみの方が高い傾向が認められました（64% vs 50%、P=0.08）。この結果から、重度の運動合併症を有する75歳未満のパーキンソン病患者にお
いて、薬物単独治療に比べて、視床下核の神経刺激はより有効であると分かり
ました。
