ヘパリンの代替
直接トロンビン阻害剤・bivalirudin (ビバリルディン;アンジオマックス、
Angiomax) による抗凝固治療は経皮冠動脈インターベンション(PCI)を受け
る急性冠症候群患者の出血のリスクを低下しうると分かりました。
▽ビバリルディンによる抗凝固治療により経皮冠動脈インターベンションを
受けた急性冠症候群患者の出血のリスクが低下する
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=18611
bivalirudinは、血栓に結合したトロンビンに対して活性を有する合成抗トロ
ンビンです。
研究者等は急性冠症候群患者およそ14,000人をヘパリン+糖タンパク質IIb/IIIa
阻害剤、bivalirudin+糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、bivalirudin単独に割り
振りました。
これらの患者のうち、PCIを受けた患者およそ7800人が今回の試験で評価され
ました。
試験の結果、ヘパリン+糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤とbivalirudin+糖タン
パク質IIb/IIIa阻害剤の30日間の臨床転帰は同程度でした。
bivalirudin単独とヘパリン+糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤の虚血イベントの
発現率は同定でしたが、マイナーまたは重大な出血の発現はbivalirudin単独
治療群の方が有意に低くなっていました。
この試験結果を受けて“bivalirudin単独治療はPCIを受ける急性冠症候群患者
に安全に使用しうる”とこの試験に関連したエディトリアルにおいて主張され
ています。(終)